鳥を誘致したい。
せっかく巣箱をつくったのだから。
数日前に巣箱を作り、窓越しにチラチラ目をやっているんですが、鳥たちは一向に見向きもしません。
作る前に調べとけという話なのですが、留鳥たちの繁殖期は3月で、巣箱を使ってもらいたいなら冬期(11~12月)までに設置する必要があるらしい。
繁殖期間近に巣箱を置いたところで、鳥たちは急な変化に気づいて警戒してしまう。巣作りという一生の大仕事なので、念には念を入れて巣の場所探しをするのだそうです。
来年の春先までは、諦めたほうがいいかも知れません。
春になると、街中でも野鳥たちが頻繁にやってくるのは、山が近いからでしょう。近くの山は低標高なのですが、百種類近い野鳥が確認できるそうです。この山から街へ降りる通り道が、それぞれあるのでしょう。
神戸で思うことは、街中にもっと緑があっていいはずだ、ということ。
後背地にひかえる六甲山地が、ビル群と緑のコントラストを演出する都市の背景として絶対的な美観をもたらしている割には、市街地に緑が少ない。
東遊園地・県庁周辺、そして一部の目抜き通りや公園では、見事に木々が手入れされています。
が、それ以外の街中では、申し訳程度に並べられた街路樹がほとんど。
地域によっては、木が一本も視野に入らない街区も多いです。
野鳥や野生昆虫、野花の宝庫でもある六甲山地。東西50kmに及ぶ山塊がすぐ近くにある訳ですから、これを活かさないのは勿体ない。
大都会に大自然
市街地に緑地と樹林の帯を敷いていけば、山の生物多様性を街に招き入れることも期待できます。
「山、海へ行く」の巨大土木事業で山を削り取り、雑木林や竹林、野池、海を宅地造成地に作り替えた神戸市。三宮周辺の再整備が今後の目玉のようですが、ハード面の保守・拡充と同時に、ソフト面に着目して街を設計するのが未来志向的だと思います。
「緑。街へ行く。」 エコロジカルネットワーク。 写真(C)Google
市街地の縦横に樹木帯を伸ばし、防災拠点を兼ねた大規模緑地を点在させ、六甲山地と各緑地とを樹木帯によって結ぶのはどうでしょう。
エコロジカルネットワークによって山と坂と街と工場が緑に覆われ、人も動植物も神戸を活用する。
神戸だからこそ出来る街づくりの、一つのアイデアだと思います。
ハゲ山だった六甲(再度山緑化工事の変遷)。 (「都市政策」2011.1.より)
六甲の緑は、神戸が育てた。
大規模な植林が1902年から始まり、100年以上緑化の取り組みが続いています。山の治水・保水力向上のための植林計画を実行することで六甲は徐々に緑に覆われ、今や神戸を象徴する緑となりました。
街に住む人も、自然回帰を志向し生態系に関心を持ち、緑豊かな商業地や住宅地を好むようになってきています。六甲の動植物に配慮する緑地、野鳥やリスなどの小動物が訪れる緑地に商業施設を配置すれば、集客力も増し、街の価値の向上と望ましい維持・管理に貢献するはず。
大都会なのに大自然。
心がスイングする街。
揺るぎない都市のブランド価値となるでしょう。
フラワーロードにリスがいた。
そんな神戸が見てみたい。