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神戸空港国際化と新鉄道(4) 300m伸ばせば阪急阪神接続

神戸空港と神戸市街を結ぶ鉄道アクセス

 

国際空港の成長を支える、太い幹。

これまで以下の概要で述べてきました。

 

・神戸市構想「三宮⇔空港」(2023年1月新聞報道)と
 本ブログ案「神戸(新)駅空港」を比較。

・市構想「三宮⇔空港」案は、三宮駅始発となる公算が大きく、

 JR・阪急・阪神との相互乗り入れが容易ではない。

・本ブログ案「神戸(新)駅空港」は、神戸駅地下に新駅を設けるため

 私鉄各線との直通運転が容易に。JRの乗り入れも比較的容易。

JR新快速神戸空港直行時。利便性は関空をはるかに凌ぐ。

・8路線を集約&JR大阪⇔神戸空港間33分も可能な、神戸(新)駅

 設置のメリットは絶大。

中部セントレア空港よりも便利なケースも(近鉄特急の直通)。

・各線直行運転を想定するなら、用地・鉄道敷設面でも「神戸駅空港

 は費用対効果が高い。

・それでもなお、神戸市が構想する「三宮⇔空港」が採られる場合の、各線相互乗り入れの可能性を考える。

 

 

神戸駅集約案は、レールが結構敷きやすい

市民・県民、近隣県民、幅広い年齢層に使い勝手が良く、海外からも「わかりやすい、疲れない、神戸が便利」と思ってもらえる、そんな鉄道。

神戸市の構想案「三宮⇔空港案」でななく、本ブログ案「神戸駅空港」に基づくのなら、レールの線形上、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 

 

 

前回考えてみた三宮集約案に比べて、低コストでの実現が見込める神戸駅集約案。

三宮案と同じく、神戸駅集約案についてもレール形状を描きながら考えてみました。

 

赤は上り。青は下り
山陽・神鉄神戸空港  ⇔ 神戸新駅 ⇔ 山手線・阪急・JR・阪神・海岸線
写真(C)Google

ほぼ既存の交通網をなぞる形になりました。

神戸駅周辺の地下鉄道を、神戸新駅へ簡単に束ねることができます。

神戸高速鉄道のアイデアと利点を丸ごと拝借しました。

 

赤は上り。青は下り
山陽・神戸空港  ⇔ 三宮新駅 阪神・阪急・JR・海岸線・北神線
写真(C)Google

 

三宮の場合は、商業密集地の一角となるオレンジの円あたりがレール敷設の難所です。

右上の生田川左岸地域も家屋が密集していて、やはり難所。

レールを通すために数十軒の建築物を取り壊すのはあり得ないので、これらはトンネルの掘削が避けられないでしょう。

JR三宮南側一帯へのレール導入・三宮地下新駅についても、これらを実際に進めるためは三宮再開発の見直しを含め都市計画の大幅な再検討を迫るほどの大プロジェクトとして位置付ける必要があるでしょう。

考え方にもよりますが、長期的な視点でみると、大きく手を加えるなら今が適切な時機でしょう。

 

神戸駅周辺。道路を開削できる割合が高く、鉄道敷設の難所が少ない。
写真(C)Google

一方神戸新駅プランは、神戸駅の東・西両側から地下を開削できるスペースがあります(緑色の円)。

地下街(メトロ神戸・デュオ神戸)の移設・一時閉店が余儀なくされますが、三宮の地下街(さんちか等)に比べると影響は小さいと言えます。比較的に敷設しやすいでしょう。

 

神戸新駅へのレール導入について言えば

 

空港新線の下り(空港・山陽方面)をJR神戸駅東側、

空港新線の上り(三宮・県庁方面)をJR神戸駅西側

 

にそれぞれ配置すれば、地下空間にはかなりの余裕空間が残ります。

山陽線から空港新線へ乗入れ可能なスイッチバックホームや、神鉄線を引き込んで専用ホームを設けるスペースもありそうです。

 

ピンク色の円は、現在の地下鉄海岸線ハーバーランド駅です。こちらは可能な限り温存するのが賢明でしょう。

 

茶色の円は、神戸駅集約案で最大の難所と思われます。

神戸新駅から県庁前駅への延伸線にあたりますが、こちらは住宅地の深部を通るトンネル工法一択でしょう。

 

 

空港と新神戸北神線を繋ぐ重要な南北軸として、活用度の高い延伸線となるはず。

 

一方、神戸新駅から阪急・阪神方面へ繋ぐレールは、直線距離でざっと300m足らず(下図)。

既存線の西側(左側の高速神戸駅方向)を廃線にすれば、重要な接続鉄道が低コストで出来てしまう。

 

廃線すれば、山陽方面に行けないよ?

・・・これについては後述します。

 

300mで接続可能。オレンジ線は阪神、ブラウン線は阪急の引込み線。
写真(C)Google

阪急・阪神との乗入れをもって神戸新駅の暫定的な完成であるとしても、今後十数年間の空港鉄道アクセスの広域需要を担うには充分ではないでしょうか。

この短い接続線こそ、神戸駅集約案の肝です。

道路開削工法なので工期も短く、低コストでしょう。

三宮駅集約案とは比べ物にならないほどです。

阪急阪神ホールディングスには積極的に検討いただきたいところです。

 

単純比較ですが。

 

阪急・阪神を空港新線に引き入れる場合、二つの選択肢が残ります。

今の高速神戸駅を廃止するのか?

そのまま使い続けるのか?

長期的に市内交通の活用度を高めていくには、やはり高速神戸を廃止してその役割を神戸新駅に引き継がせるのがベストでしょう。

 

この場合、ルート変更に合わせて、山陽方面は神戸新駅をしばらく南下して新開地へ向かって大きく右カーブするレールを敷設しなおす必要があります。道路開削でほぼカバーできますので、コストは抑えられるでしょう。

この山陽方面への新たな敷設線を、狭軌神鉄と共用できる三線軌条とするのも一考でしょう。神鉄神戸駅接続が実現し、さらにはJR三ノ宮乗入れ等都心部直結も構想できるようになります。

神戸市北区・西区等の住宅地再興にも資するプランとして、検討願いたいところです。

 

 

実現すれば、多くの利用者が空港新線JR阪急阪神近鉄山陽山手北神線神鉄が一つの地下平面で行き交う、地下鉄道ハブターミナルの利便性を享受できるでしょう。

 

 

 

隣接する地下鉄海岸線ハーバーランド駅も、ハブターミナル - 神戸新駅に組み込めば、海岸線への活用度が向上し赤字幅の縮小に繋がるかも知れません。

慎重に見極め、生きた投資となるよう、検討いただきたいと思います。

 

 

(2023年2月8日作成)